■このブログは2018年1月20日に書きました。
こんにちは!
ソバネコです。
このブログは、
元プロボクサーで現在デザイナーである、ソバネコがボクシングについて書いたブログです。
今回は、プロボクシングの試合で行われる計量について書いています。
ボクシングの計量とは?
ボクシングは階級制スポーツのため、選手が戦う階級の体重が予め決まっています。
※階級とはフェザー級やバンタム級などの名称のこと
どの選手も自分が戦う階級の規定体重にするために、だいたい5~7kg落とします。
これを「減量」といいます。
稀に減量を行わない選手もいますが、ほとんどの選手は普段の体重よりも体重が軽い階級で闘うことを選びます。
【それぞれの階級と体重表】
階級名 | 体重表記(kg) |
ヘビー級 | 90.719kg〜 |
クルーザー級 | 79.379〜90.719kg |
ライトヘビー級 | 76.204〜79.379kg |
スーパーミドル級 | 72.575〜76.204kg |
ミドル級 | 69.853〜72.575kg |
スーパーウェルター級 | 66.678〜69.853kg |
ウェルター級 | 63.503〜66.678kg |
スーパーライト級 | 61.235〜63.503kg |
ライト級 | 58.967〜61.235kg |
スーパーフェザー級 | 57.153〜58.967kg |
フェザー級 | 55.338〜57.153kg |
スーパーバンタム級 | 53.524〜55.338kg |
バンタム級 | 52.163〜53.524kg |
スーパーフライ級 | 50.802〜52.163kg |
フライ級 | 48.988〜50.802kg |
ライトフライ級 | 47.627〜48.988kg |
ミニマム級 | 47.627kg以下 |
そして、減量した体重を計測することを「計量」といいます。
つまり、プロボクシングでは試合前に、
減量→計量→試合
というステップを踏む必要があり、結構大変なんです。泣
計量のタイミング
プロボクシングの世界では、 試合の前にお互いの選手が体重を計量し、適正体重かどうかを厳格に測ります。
体重計で測りますが(実際に使用されるのはこれ↓)
今どきのデジタル式ではなく、天秤式で秤がついたタイプです。
テレビなどで一度は見たことがあるんじゃないでしょうか?
計量のタイミングですが、例外は存在せず試合の前日に行います。
試合会場が後楽園ホールの場合は、地下の控え室の一室に計量機を持ち込み、そこでJBC職員公認のもと体重を測ります。
なぜ試合の前日に計量を行うのか?については、諸説ありますが、終戦間もないボクシングの世界では当日計量(試合当日に計量をして試合をする)の時代が主流でした。
しかし、当日計量だと選手の肉体が減量のダメージから回復できず、本来の実力を発揮できないことが多々ありました。
そうしたことから、近代ボクシングでは選手の健康面を考え、必ず試合の前日に計量が行われた経緯があります。
このルールはJBC(日本ボクシングコミッション)に適用されており、世界の他団体によっては違う場合もあります。
計量に失敗すると、どうなる?
もし計量で規定体重に落とせない場合はどうなるんでしょうか?
最近の世界戦では体重超過で王者が剥奪されるニュースが多いですよね。
1回目の計量で体重が落とせなかった場合は、選手には体重を落とす猶予が2時間与えられます。この間に計量をパスできなかった場合は、失格となります。
【チャンピオンと戦うタイトルマッチの場合】
チャンピオンが体重超過の場合 |
チャンピオンは問答無用でタイトルを剥奪。 |
勝った場合→王者不在に。 |
引き分け・負けた場合→挑戦者が世界王者に。 |
挑戦者が体重超過の場合 |
勝った場合→王者不在に。 |
引き分け・負けた場合→チャンピオンが防衛扱いに。 |
という形になることが多いです。
計量後は何を食べてもOK?
晴れて計量をパスしたら、試合までの間は何を食べてもOKです。
計量前の体は栄養が足りない軽い飢餓状態になっているので、まずは栄養補給をします。
食べるものは体の吸収効率が高い食品を摂取することが大事。
食べ物にはすぐに体の栄養になるものと、しばらくしてから体の栄養になるものがあります。
僕もうる覚えなので、アレですが(汗)食品にはGI値という数値があり、この数値が高い食品を取るとすぐに栄養に変わるらしいです。
例えば、ステーキや焼肉などは値が低く、実際に体に栄養が吸収されるのは食べてから3日後なんだとか。
それに比べ、お餅やお蕎麦などはすぐに吸収されるためで僕は積極的に取っていました。
その辺りは「GI値」で調べるとすぐネットで出てくるので、気になった人は調べてみてください。
試合時の体重
前日計量から試合までは約24時間ぐらい時間があり、この間に食事をするんですが、
普通の選手だとこの間に5kgぐらい体重が戻ります。多い選手だと8kgとか 笑
これはさすがに暴飲暴食しすぎで、試合の時にせっかく締まっていた体がタプタプになっている人も結構いるんですよ。笑
減量前の体はダイエットというよりかは飢餓状態に近く、その状態から一気に栄養を補給するので5kgぐらいはすぐに戻っちゃうんですね。
これはもちろん体にも胃にも大変なストレスがかかります。
なので、昔から世界チャンピオンになる人は胃腸が強くなければダメだなんて隠れた格言があるぐらいです。
事実、僕が現役の頃ジムの選手達とご飯に行くと、強い人ほど大食いでよく食べていました。笑
計量は過激なダイエット
これからボクシングでダイエットを始めたいと思っている人がいるなら、僕は減量をすることは絶対にお勧めしません。(積極的にする人は恐らくいないと思いますが 汗)
ボクサーの減量はダイエットと違い、短期間で脂肪ではなく水分や筋肉を落とし、さらには試合後にリバウンドですぐに体重が戻るため、
体に非常に強いストレスがかかります。
ボクシングでダイエットを考えている人は、減量以外のトレーニングで健康的に体を絞る方がいい思いますよ!♪( ´▽`)
まとめ
今回は、プロボクシングの試合で行われる計量について書きました。
いかがでしたでしょうか?。
ボクサーは試合前に減量と計量という試合に匹敵するほどの苦行(笑)を行なってリングに上がっています。
その辺りも考えて試合を見てもらえるとさらに面白く感じられるのではいかと思いますよー!
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