■このブログは2019年11月25日に追記しました。
こんにちは!
そばねこです。
このブログは、
元プロボクサー・現在デザイナーである、ソバネコがボクシングについて書いた記事です。
今回は、ボクシンググローブの重さや仕様について書いています。
グローブのオンスって?
ボクシンググローブは重さによって、様々な種類があります。
重さの表記は日本のg(グラム)でなく
オンス(oz)で表します。
1オンスはgにすると28.3495g、約28g。
約28gで計算すれば問題ないかと思います。
そして、グローブは重さに種類があり、8 / 10 / 12 / 14 / 16までの5種類あります。
8オンス | 約227g |
10オンス | 約283g |
12オンス | 約340g |
14オンス | 約397g |
16オンス | 約454g |
ちなみに、これはグローブ片方分の重さなので、両手だと2倍ですね。
試合用グローブは階級で重さが違う
ボクシング用具にはグローブ、シューズ、バンテージと色々ありますが、
なぜグローブは重さに種類があるんでしょうか?
これは、ボクシングが階級制の競技ためです。1番軽いミニマム級と1番重いヘビー級の選手とでは体格が全然違いますよね。
仮に、8オンスのグローブを全階級の選手が着用したとすると、
軽量級の選手には適正ですが、重量級の選手にはグローブが軽すぎて、パンチの衝撃が大きくなり危険性が高まります。
(グローブは大きいオンスになるほど中の棉の量が増え、パンチを打った時の衝撃が和らぎます。)
そこで、階級別にグローブの重さを変えることがルールで決められているんです。
国内の試合での男子プロボクサーの場合
ミニマム級 | 8オンス |
ライト・フライ級 | 8オンス |
フライ級 | 8オンス |
スーパー・フライ級 | 8オンス |
バンタム級 | 8オンス |
スーパー・バンタム級 | 8オンス |
フェザー級 | 8オンス |
スーパー・フェザー級 | 8オンス |
ライト級 | 8オンス |
スーパー・ライト級 | 8オンス |
ウエルター級 | 10オンス |
スーパー・ウエルター級 | 10オンス |
ミドル級 | 10オンス |
スーパー・ミドル級 | 10オンス |
ライト・ヘビー級 | 10オンス |
クルーザー級 | 10オンス |
ヘビー級 | 10オンス |
軽〜中量級までは8オンス、中重量級以上は10オンスといったルール。
ボクシングの階級と体重一覧!1階級落とすのってどのくらい大変?
■ 他のボクシング用具についてはこちら!
試合の時のグローブはどうするの?
国内の試合の場合、JBC(日本ボクシングコミッション)が管轄になるため、そこから認可を受けたメーカーのグローグを使用します。
そのメーカーとは「winning(ウィニング)」
画像出典:ウィニング公式サイト
画像出典:Amazon
■ グローブのサイズ
グローブのサイズ | 8オンス(マジックテープ式) |
10オンス(マジックテープ式) | |
12オンス(ひも式) |
このメーカーは国内でボクシング用品を取り扱っている老舗です。そして、試合時のグローブはJBCがウィニング製を用意してくれるのでそれを使います。
し・か・し!
このグローブ、使い回しなんです。。。
世界戦やタイトルマッチなどでは新品が支給されるのですが、4回戦や6回戦ぐらいは基本、使い回しです。
なので、ひどいグローブになると中の棉が漏れていたり、使いすぎて黒ずんていたり、臭かったり、、、なかなかなんですよ。
練習の時はどんなグローブを使う?
試合のグローブは階級によって重さが違うと書きましたが、練習時のグローブはどれを使えばいいのでしょうか?
スパーリング時のグローブ
実践練習のスパーリングは、
選手同士がガチで殴り合うため、12~14オンスぐらいの重いグローブを使います。
※僕が通っていたジムでは選手の安全性を考慮して14オンスでした。
また、日本チャンピオンクラスやA級ライセンスの人たち、つまり強者同士のスパーだと、14オンスなどぬるいことは許されません。汗
より試合に近い10オンスでやります。
でもこれは、お互いに技術がある者同士だから出来るので、初心者の人にはジム側から許可が出ません。
練習時のグローブ
これは、はっきりとルールはないですが、
8~10オンスぐらいのグローブ
を使っておけば問題ないと思います。
12オンスより大きくなるとグローブ自体が重くなりトレーニングになりますが、
パンチを打った時の感触がわかりずらくなり、あまりおすすめはしません。
8オンスと14オンスの差はどのくらい?
通常練習は8オンス、スパーリングでは14オンスのグローブを使うと書きましたが、重さによって結構動きに影響が出ます。泣
8オンス | 約227g(両手で約454g) |
14オンス | 約397g(両手で約794g) |
8オンスと14オンスでは、その差約170g(両手で340g)の違いです。
なーんだ。たった340gか!と思うじゃないですか!これが全然違うんです!泣
340gって大体缶ビール1本分ですよね。
体に疲労がない時はたいしたことないんですが、
ラウンドを重ねて疲れてくると、鉛のように重くなるんです。
たかが340g、されど340gといったところでしょうか。笑
グローブはどのメーカーがいい?
ボクシングをしっかりとやるならオススメするメーカーがあります。
それは「winning(ウィニング)」
グローブメーカーは数多くありますが、個人的にはここが一番いいと思っています。
画像出典:ウィニング公式サイト
■ グローブのサイズ
グローブのサイズ | 8オンス(マジックテープ式) |
10オンス(マジックテープ式) | |
12オンス(ひも式) |
理由としては、
上の段でも書きましたがJBC(日本ボクシングコミッション)から認定を受けているメーカーだから。
実際に、僕が通っていたジムでもプロは試合と同じ感覚でいるために、練習でもほとんどの人がウィニング製のグローブを使っていました。
それに加えて品質が良いのもポイントです。
ここのグローブは一つ一つが職人さんの手作りなので他メーカーと比べてフィット感や使いやすさが全然違います。
デメリットをあげるとすれば、価格が他メーカーに比べ割高なことでしょうか。
種類によっては大体2万~3万ぐらいなので安くはないです。
しかし使用頻度にもよりますが、最低半年以上は持つので費用対効果で考えれば妥当かな〜と僕は考えます。
他にもいいメーカーはたくさんある!
ウィニングを一番に進めておきながら矛盾?しますが、近年では僕が当時使っていた時よりも品質が良く価格も手頃なメーカーが結構あります。
ボクシングのメーカーはたくさんありますが、その中でも“ボクシングをしっかりやるなら”これがいい思うメーカーを自分なりの視点で紹介します。
購入する時に注意すること
最近のグローブメーカーは1種類だけの販売よりも、
高価格のハイスペックタイプと低価格のスタンダードタイプの2種類のバリエーションで展開しています。
そのため、どのメーカーも単純に良い悪いで比較できず、それなりの値段のグローブは良い品質で使いやすいです。
そのため、購入する際に気をつけることは
・自分の感覚にフィットするのか?
(グローブの硬さや使い心地)
・お手頃なスタンダードタイプにするか、高品質なハイスペックタイプにするか
あたりを考えるといいのではないでしょうか。
在庫がしっかりあるかも考える
グローブは一番使う頻度が高い消耗品です。
プロだと毎日練習するので消耗も早く、早いと半年や遅くとも1年ぐらいで買い換えます。
それぐらい使っていると、拳に馴染むので次も同じものを買いたいですよね。
しかし、海外ブランドのグローブは在庫がない場合が多く入荷待ちなんてのもザラ。
逆に日本製のウィニング、ボディーメーカーや、タイ製のTwins、WINDYあたりは流通量も多いので買い換えるときに困りません。
長くボクシングをやるならその辺りも考えてグローブ選びをすると良いかもしれません。
海外製
adidas(アディダス)
画像出典:アディダス公式サイト
ドイツ生まれの言わずと知れたスポーツメーカーの大御所。
様々なスポーツ用品があるので隠れがちですが、ボクシング用品もしっかりあります。
グローブ以外にもバンテージ、シューズとラインナップが幅広いのでトータルコーディネートができるのも◎。
スタンダードモデル
グローブのサイズ | 8オンス(マジックテープ式) |
10オンス(マジックテープ式) | |
12オンス(マジックテープ式) | |
14オンス(マジックテープ式) |
ハイスペックモデル
グローブのサイズ | 12オンス(マジックテープ式) |
14オンス(マジックテープ式) |
アディダスはグローブの種類が豊富で、高品質からお手頃まで価格帯があります。
どれも全体的に品質は良いですが、如何せんメーカーの在庫量が少なく入手に時間がかかるのがネックです。
継続的に使うことを考えると、買い替えたい時にグローブの在庫がない!という状況になるので注意が必要。
入手のしやすさ
おすすめ度
TITLE(タイトル)
画像出典:タイトル公式サイト
日本ではほとんど認知がありませんが、アメリカではメジャーなブランド。ハイスペックとスタンダードのバランスが良く、バリエーションも豊富で、グローブの作りも安定しているので扱いやすいブランド。
国内であまり知られてないので、他人と被らないところもいいんじゃないでしょうか。
注目されることは間違い無いでしょう。
おすすめしにくいところは完全海外生産なので、日本では在庫限りで
・欲しいオンスサイズがないことが多い
・買っても届くまでに時間がかかる
・在庫がない場合再入荷がいつかわらかない
ことが挙げられます。ずっと使うとなると、入手の面でどうかなーという印象。
残念ながらあまり市場に出回っておらず、国内では、BOXELITEさんのサイトで品揃えが充実しています。
入手のしやすさ
おすすめ度
VENUM(ヴェナム)
画像出典:ヴェナム公式サイト
タイ製のブランドでお手頃な価格の商品が充実しているブランド。
完全なボクシングブランドではなく、MMA(総合格闘技)にも展開しています。
“ヴェナム”の語源はおそらく毒のヴェノムからきており、ブランドのマークが毒ヘビになっており海外っぽいかっこよさがあります。
スタンダードモデル
グローブのサイズ | 8オンス(マジックテープ式) |
10オンス(マジックテープ式) | |
12オンス(マジックテープ式) | |
14オンス(マジックテープ式) |
ハイスペックモデル
グローブのサイズ | 8オンス(マジックテープ式) |
10オンス(マジックテープ式) | |
12オンス(マジックテープ式) | |
14オンス(マジックテープ式) |
ヴェナムもタイトル同様に使う人があまりいないので注目されると思います。
また、価格の割に品質が良く7,000円代のグローブでも使用感は快適。海外製品のため入手のしやすさに難がありますが使ってみたいブランド。
入手のしやすさ
おすすめ度
WINDY(ウィンディ)
画像出典:ウィンディ公式サイト
ボクシングとムエタイが盛んなタイの超有名なブランド。
タイと言えばWINDYとTwinsと言われるぐらいメジャーです。
この2社は家族経営で元々一つのメーカーだったのが、今はWINDYとTwinsに別れて経営しているようです。
WINDYはハイスペックモデルもありますが、10,000円前後の価格帯がメインラインナップでこの辺りを買っておけばまず間違いないと思います。
WINDYを買うなら!
タイ製ですが、他のメーカーと比べて流通量が多く比較的手に入りやすいです。
カラバリも豊富で買い替えが効くので愛用者も多いですが、ムエタイでも使われるので若干グローブの皮が硬いです。使い続けて触れてくるといい感じになります。
入手のしやすさ
おすすめ度
Twins(ツインズ)
画像出典:ツインズ公式サイト
タイでWINDYに並ぶ超有名ブランドの一つ。こちらもボクシングとムエタイで使われています。ボクサーなら一度は使っているぐらい、昔からある老舗でもあります。
Twinsを買うなら!
グローブのサイズ | 8オンス(マジックテープ式) |
10オンス(マジックテープ式) | |
12オンス(マジックテープ式) | |
14オンス(マジックテープ式) |
WINDY同様にタイ製ですが、流通量が多いので手に入りやすいです。
価格帯も10,000円を切るぐらいが主流なので、継続的に買い換えるなら良いメーカー。新品は皮が硬いので若干拳に馴染むまでに時間がかかります。
入手のしやすさ
おすすめ度
Everlast(エバーラスト)
画像出典:エバーラスト公式サイト
アメリカ製のメジャーブランド。多くの有名ボクサー達が愛用していることでも信頼性が高いことがわかるグローブです。
モハメド・アリ、マイク・タイソン、日本人選手ではファイティング原田や輪島功一などが好んで使ってました。
エバーラストを買うなら!
グローブのサイズ | 8オンス(マジックテープ式) |
10オンス(マジックテープ式) | |
12オンス(マジックテープ式) | |
14オンス(マジックテープ式) |
アメリカではメジャーブランドですが、日本で購入しようとすると在庫切れで入荷待ちをすることもしばしばあり、手に入りにくことも。
また、価格も低価格と高価格帯でバラツキがあるため、今回は一番スタンダードなグローブを掲載しました。グローブの質感は程よく柔らかめで拳を衝撃から守ってくれます。
入手のしやすさ
おすすめ度
Reyes(レイジェス)
画像出典:レイジェス公式サイト
世界的に有名なメキシコ製のボクシングメーカー。職人堅気で高品質なグローブを世に出し続けており、世界中のタイトルマッチで多く使われていることからも人気と信頼性の高さがわかります。
レイジェスを買うなら!
グローブのサイズ | 8オンス(マジックテープ式) |
10オンス(マジックテープ式) |
レイジェスは他のメーカーのように低価格帯と高価格帯で品質を分けておらず、一貫して20,000円前後のグローブのみを販売しています。
ネットも無かった頃は手に入れるのも苦労しましたが、今では認知度も上がりすぐに手に入るので、高品質なグローブを継続的に使いたい人にはオススメです。
グローブは拳の部分のワタが薄めでパンチの衝撃が響きます。トレーニングで激しく使うと拳を痛めることもあるので注意。
入手のしやすさ
おすすめ度
rival(ライバル)
画像出典:ライバル公式サイト
最近できたブランドで歴史は浅いですが、PFP上位のスーパースター「ワシル・ロマチェンコ」が愛用していることでじわじわと知られてきたグローブです。
アジア圏のボクシンググローブメーカーにはない、デザインのかっこよさがあります。
スタンダードモデル
ハイスペックモデル
スタンダードモデルで10,000円前後、ハイスペックモデルで30,000円前後する安くはないですが、高品質なグローブが揃っています。
しかし、カナダ製なので日本の店舗に在庫がなかったり、取り寄せに時間がかかるなど入手はしずらいかと。
ハイスペックモデルで30,000円ほどするので、グローブメーカーの中でもかなり高いランクだと思います。品質は良いので、人とは違うのが嫌!と言う人はおすすめです。
入手のしやすさ
おすすめ度
日本製
wining(ウィニング)
画像出典:ウィニング公式サイト
ボクシングをやっている人なら一度は聞いたことがある、日本初のメジャーブランドがウィニングです。
ウィニングは他の日本製の他メーカーと比べ価格は割高ですが、グローブひとつひとつを職人さんが手作りしているため、着用時のフィット感が比べものにならないほど良いです。
また、JBCの試合用公認メーカーなので、プロの試合時と同じ環境で慣れておくという意味でもおすすめ。
海外でもウィニングを愛用する選手は多く、その品質には絶対の安心感があります。
ウィニングを買うなら!
■ グローブのサイズ
グローブのサイズ | 8オンス(マジックテープ式) |
10オンス(マジックテープ式) | |
12オンス(ひも式) |
ウィニングはレイジェスのように低価格帯と高価格帯で分けずに、ラインナップは1種類のみ。
価格は22,000~25,000円ぐらいで安くはないですが満足はできるはず。日本製なので在庫もたくさんあり、買い換え時に困らないのも高ポイントです。
入手のしやすさ
おすすめ度
bodymaker(ボディーメーカー)
画像出典:ボディーメーカー公式サイト
1999年に設立され大阪府吹田市に本社を置くスポーツ・アパレル総合ブランド。 ボクシング専門というよりも、キックボクシングや総合格闘技寄りの品揃え。
他のブランドに比べて全体的に価格が安く手に入りやすいです。まずグローブを買ってみよう!って人にはいいかも。
ボディーメーカーから入り、さらに他のメーカーのハイスペックモデルに切り替えると価格によるグローブの質の違いがわかります。
ボディメーカーを買うなら!
グローブのサイズ | 8オンス(マジックテープ式) |
10オンス(マジックテープ式) | |
12オンス(マジックテープ式) | |
14オンス(マジックテープ式) |
日本製なので在庫切れの心配はそこまでする必要はありません。価格も10,000円あたりで継続的に使うのにも適しています。
まずはグローブがどんなものかを知るための導入としてはいいかと思います。
入手のしやすさ
おすすめ度
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まとめ
今回は、ボクシンググローブの重さや仕様について書きました。
いかがでしたでしょうか?
プロボクシングの世界を少しでも知ってもらえたら嬉しいです^ ^
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