■このブログは2020年3月14日に書きました。
こんにちは!
ソバネコです。
このブログは、
元プロボクサーで現在デザイナーである、ソバネコがボクシングについて書いたブログです。
今回は、ボクシングの複数階級制覇について書いています。
複数階級制覇とは?
テレビなどでボクシングチャンピオンを紹介する時に、よく「2階級制覇の~」という紹介を聞いたことありませんか?
最近では複数階級のベルトを持つチャンピオンが多く出てきました。
では、複数階級とは一体どういうことなんでしょうか?
これは文字通り、複数の階級を制覇したチャンピオン
という意味です。
ボクシングは階級制のスポーツです。
階級ごとにチャンピンオンがおり、複数階級は例えばライト級でチャンピオンになった場合、その上のスーパーライト級に階級を上げてそこでも王座につくことができれば、
ライト級・スーパーライト級の2階級制覇チャンピオン
となります。
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複数とはどこまで?
現在のボクシング業界では、複数階級をしたチャンピオンは男子だけをみると
最も少なくて2階級制覇
最も多くて6階級制覇
になります。
理論上はミニマム級からヘビー級まで17階級あるので全階級を制覇すると17階級になりますが、持って生まれた体のサイズがあるため、過去にミニマム〜ヘビー級までを制覇したボクサーはいません。
複数階級を制覇することが評価に繋がる?
最近では、チャンピオンになり防衛を重ねるよりも、複数の階級を制覇する方が評価が高いです。
チャンピオンになると約4カ月に一回の防衛戦が義務付けられます。その場合、相手はランキング10位以内のランカーから挑戦を受ける形になり、基本的には自分より弱い選手(ランキングの低い選手)と戦います。
しかし、複数階級制覇を狙う場合、一旦王座を返上して別の階級で再度挑戦者としてその階級のチャンピオンに挑むことになるため、
その階級のチャンピオンVS異なる階級の元チャンピオン
という構図になります。
階級は違えど、チャンピオンVSチャンピオンの戦いになるわけですね。
より強い相手に勝つこと、つまりやらせなしの“リアルファイト”でたくさんの勝利を挙げることが強さのステータスとされるため、防衛回数を重ねるよりも複数階級制覇を目指す選手が多くなっています。
最も多くの階級を制覇したボクサー
上記でも書いた通り、最も多い複数階級制覇は6階級です。
ここまでいくとレベル的には国民的ヒーローレベルに。それぐらいの偉業です。
過去に6階級制覇者は2人いて、
1人はアメリカのオスカー・デ・ラ・ホーヤ
もう1人はフィリピンのマニー・パッキャオです。
デ・ラ・ホーヤが制覇した階級
画像出典:wiki
アマ時代からエリート街道を歩み「ゴールデンボーイ」の異名を持つアメリカの英雄です。 制覇した階級はスーパーフェザー級~ミドル級まで。
デビュー当時から実に約15kgの体重アップ!
パッキャオが制覇した階級
画像出典:wiki
最近引退を撤回して、40才にしてWBA世界ウェルター級タイトルマッチで勝利したフィリピンの英雄。 アジア人には不可能と言われた6階級制覇を成し遂げたアジア人の星です。 制覇した階級はフライ級~スーパーウェルター級まで
デ・ラ・ホーヤは1つづつ階級を上げたのに対して、パッキャオは飛び級で6階級を制覇しました。
複数階級は飛び級になっても問題はありません。
日本人で複数階級制覇をしたチャンピオン
日本でも複数階級制覇したチャンピオンはたくさんいます。
暫定王者ではなく、正規王者でカウントすると、
2階級制覇は7選手
3階級制覇は6選手
4階級選手は1選手
未だ4階級以上を制覇した選手は日本にはいません。
2階級制覇をした日本人の世界チャンピオン
ファイティング原田 | 柴田 国明 |
井岡 弘樹 | 畑山 隆則 |
粟生 隆寛 | 亀田 大毅 |
京口 紘人 |
3階級制覇をした日本人の世界チャンピオン
亀田 興毅 | ホルヘ・リナレス |
八重樫 東 | 長谷川 穂積 |
井上 尚弥 | 田中 恒成 |
4階級制覇をした日本人の世界チャンピオン
井岡 一翔 |
4階級以上は達成した選手がガクンと減ります。
それだけ難しいということなんですかね。
複数階級を制する難しさ
ボクシングに限らず、格闘技では体のサイズ、フィジカルの強さが勝敗に大きく影響します。
普通の選手だと適正階級より上の階級に挑戦した場合、体のサイズを無理やり大きくした影響で本来のパフォーマンスが出せず活躍できないことが多々あります。
少し前では3階級制覇の名ボクサー 長谷川穂積さんも苦戦しました。
主戦場のバンタム級では11度もの防衛しましたが、階級を2個上げたフェザー級にした途端、体格の壁に阻まれて初防衛でKO負けを喫し王座を陥落しました。
たった2階級と思うかもしれませんが、階級制のボクシングではこの差が大きな壁となります。
それを考えると6階級を制覇したデ・ラ・ホーヤとパッキャオがどれほどトンデモナイボクサーなのかがわかりますよね。
長谷川さんが制覇した階級
2005年4月16日 | バンタム級 | 10度防衛 |
2010年11月26日 | フェザー級 | 初防衛で王座陥落(1つ上のスーパーバンタム級ではなく2つ上のフェザー級に転向) |
2016年9月16日 | スーパーバンダム級 | 防衛せずに引退(フェザー級から1つ下げて王座獲得) |
今後6階級以上を制覇する選手は出てくる?
この先、6階級以上を更新するなら僕は井上尚弥選手がやってくれるのではないかと思っています。
井上選手はすでに3階級制覇をしており現在もっとも注目されているボクサーの一人です。
全ての能力が規格外でついた異名が“モンスター”。 キャリアはライトフライ級からスタートし、スーパーフライ、バンタムと体重を上げているので 今後はライト級まで行けば7階級制覇になります。
ボクシング界からは階級を上げてもフェザー級までが限界だろう、、という声も聞きますが、ここは一つ、
アジア人で夢の7階級の快挙を目指して欲しいと密かに願っています。
■ 井上選手の制覇した階級
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まとめ
今回は、ボクシングの複数階級制覇について書きました。
いかがでしたでしょうか?
ボクシング業界のことを少しでも知ってもらえたら嬉しいです。
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