■このブログは2019年8月31日に書きました。
こんにちは!
ソバネコです。
このブログは、
元プロボクサーで現在デザイナーである、ソバネコがボクシングについて書いたブログです。
今回は、ボクシング界のスター 井上尚弥選手の強さの秘密について書いています。
井上はなぜ強いのか?
井上選手はなぜこんなにも強いのでしょうか?
2019年8月時点では18戦18勝(16KO)で無敗のパーフェクトレコードです。試合も見てみると最近は早いラウンドでのKO決着が多く、「圧倒的に強い」と言えます。しかし、それと同時にこんな疑問が浮かびませんか?
「なんであんなに強いの?」
「どんなところが強いの?」
強いのはわかるが、その強さの秘密が知りたい。
そんな人も多いと思います。そこで、過去に井上選手が強い理由を説明したボクサーや有識者の言葉を集めてました。
彼らはどんな目線で井上選手を見ているんでしょうか?
大橋会長が語る井上尚弥
まずは、所属ジムの会長である大橋秀行の言葉です。
大橋会長は現役時代に2階級制覇を果たし、「150年に一人の天才」と言われた名チャンピオンで、現在は横浜で大橋ボクシングジムを経営しています。
これは2017年7月6日に“スポーツ情報サイト VICTORY”に掲載された内容です。
井上選手がリカルド・ロドリゲスに勝利した後の大橋会長へのインタビューを一部抜粋引用しました。
―― 旧聞になり恐縮ですが、改めて井上尚弥選手の資質について伺います。ロドリゲス戦の勝因は、どこにあると分析されておられますか?
大橋 やはり「天性の素質があり、非常に謙虚である」という井上の資質に尽きるのではないかと思います。
めったに見られない天才的な素質がある選手で、こういう実績を残すことは全く驚きではありません。前チャンピオンをあっという間に倒し、世界が驚くような戦績を残しました。でも、私個人に驚きはなく、当然の結果だと思っています。唯一懸念したのは、井上が天狗になってしまうこと。でも、彼はまったくそういう部分がない。素直で、謙虚で、練習熱心。練習一つにしても、注目を浴びると練習のためではなく「見せる」ための練習をしてしまう。井上はそんなことはまったくなく、練習の終わりにはボクシングの基本であるワンツーを必ずお父さんとみっちりと行なう。かつ、誰のアドバイスも取り入れる素直さがある。彼の強みは、そういう部分です。
尚弥は、左のジャブが普通のボクサーの右ストレートぐらい強いんです。相手にしてみたら左のジャブも嫌なので、そこを意識すると今度は右ストレートが来る。かと思えば、ボディも打ってくる。くっついてどうにかしようとすれば右アッパーが来る。僕が自分で戦うと思っても、対策を非常にやりづらい、すごく嫌な選手だと思います。
―― 他の選手と比べて、最も違う部分はどのあたりですか?
大橋 集中力の高め方が、他の選手と違うかもしれません。ウチにいるチャンピオンの川嶋勝重、八重樫東は試合前になるとものすごい集中力を見せ、それこそ身体から湯気が出てくるような気迫を見せます。でも尚弥はそういうものではなくて、普段のまま、フラットに入場していく。
いつもよりも集中する、というのではなく普段通りで戦う。つまり、これは24時間を通して波がないということ。一番驚いたのは、初の世界戦。デビューして最速6、7戦目のことです。緊張しても当然なのに、いつもどおりの感じで出ていった。入場するときのテレビの映像を見ながら松本トレーナーに「あれ、これで大丈夫なの?」なんて話をしていたんですが、それが彼の強みなんですよね。
記事出典:VICTORYサイト
天性の素質がありながら、非常に謙虚である、、、
肉体的にも人格的にも最高の賞賛を受けてますね。
注目するのは初の世界戦挑戦にもかかわらず、平常心で試合に臨んだこと。どんな時でも乱れない不動心というんでしょうか、精神力の強さが伺えます。
佐野友樹さんが語る井上尚弥
少し遡りますが、井上選手が20歳のプロ3戦目。初の日本人対決になった相手が当時ライトフライ級の日本ランク1位の佐野友樹選手でした。
圧倒的井上有利の中で実際に戦った本人だからわかる井上選手の強さを語っています。
これは2018年11月24日に“現代ビジネス”に掲載された内容です。
インタビューでは試合を通して井上選手について感じたことを話していますが、最後の方でポツリと佐野さんが感じた井上選手の強さについて語っています。
名古屋市の松田ジムから徒歩1分の喫茶店。私は佐野と一緒にポータブルDVDで井上戦を振り返った。
「この試合はときどき見直す」という佐野は10ラウンドを見終えて、一息ついた。すると、「度胸がすごいんだよなあ」と独り言を漏らした。
「闘っていると分かるんです。人間性まで見えますよ。」佐野はそう言って続けた。
「井上君はパワー、スピード、距離感、技術、柔軟性、目の良さ…全部素晴らしかった。でも、一番凄いのは心だと思う。あのとき20歳ですよね。あれだけ注目されても、周りのことは一切気にならない。格好をつけることもしない。自然なんですよね。落ち着いているんです。それって実はすごく難しいことだと思う。あんな風には誰もできないですよ」佐野は感服するかのように話した。
「心・技・体で言うと、技・体が凄いのに、心が弱いボクサーって多いじゃないですか。うまく説明できないけど、井上君は試合中に心の揺らぎがなかった。どんなときでも平然としているというか。心がしっかりしているから、あれだけのパフォーマンスができる。僕は闘ってみて、ハートがモンスターだと思いました」記事出典:現代ビジネスサイト
このインタビューは個人的には読んでいてとても面白かったです。
戦った人にしかわからないリアルさがひしひしと伝わって来ました。まだ読んでない人は一度読んでみるといいかもです。
2つのインタビューで共通すること
大橋会長も佐野さんも、インタビューの中で井上選手の強さの秘密を
“心が圧倒的に強い”
と表現していたことが印象的でした。
いつもジムで選手を見ている人と戦った人が同じことを感じるというのは面白いですね。
ボクシングに限らず、スポーツは選手の心、つまりは精神力がパフォーマンスに大きく影響します。
精神力は本人の資質や育って来た環境に左右される部分が大きいので、もしかしたら井上選手の生い立ちや普段の生活にその強さの秘密があるのかもしれません。
■よく読まれている記事はこちら!
まとめ
今回は、ボクシング界のスター 井上尚弥選手の強さの秘密について書いています。
いかがでしたでしょうか?
全く立場が異なる人物が井上選手の強さの秘密について同じことを言っているのが印象的でした。次回は技術面で強さの秘密に迫ってみたいと思います!
■その他のボクシング関連記事はこちら!
コメントを残す
コメントを投稿するにはログインしてください。