■このブログは2020年2月16日に書きました。
こんにちは!
ソバネコです。
このブログは、
元プロボクサー・現在デザイナーである、ソバネコがボクシングについて書いた記事です。
今回は、プロボクシングで行われるトーナメント 新人王戦について書いています。新人王とは一体どういルールになっているのか?を詳しく解説します。
新人王とは?
新人王の正式な名称は「全日本新人王決定戦」と言い、日本中の新人ボクサーがエントリーできるトーナメント戦のことです。
まずは東日本と西日本の地域で勝ち上がってきた選手が、東日本新人王 / 西日本新人王になります。そこから、全日本新人王を決めるため、東軍と西軍の代表として東京都の後楽園ホールで決定戦を行い、勝者がその年の全日本新人王となります。
新人王は毎年行われ、プロになったらまずこのトーナメントに参加するのが一般的。
参加資格
このトーナメントに出場は誰でも参加できる訳ではありません。
新人王というぐらいなので、基本的に4回戦の選手のみ。
他にも下の条件があります。
トーナメントに出場時に1戦以上4勝未満であること。 (プロテストに受かっても必ず1戦していないとダメ) |
エントリーは3回まで (例えば、4勝未満であれば今年エントリーして1回戦負けても、次年もエントリーできる) |
アマチュアボクシング上がりの場合、40勝未満であること。 |
これらの条件は、新人王トーナメントが「デビューしたばかりで強さが同じくらいの新人が戦う」ためにあるから。明らかな実力差があると、拮抗した勝負にならないからですね。
トーナメントの時期
トーナメントは毎年、3月までにエントリーが完了し、4月ごろからトーナメントが始まります。
全日本の決勝戦は11月か12月頃に、東京の後楽園ホールで行われます。なので、だいたい半年間ほどかけてトーナメントが行われます。
そして、階級ごとに参加人数が違いますが、新人王の一番過酷と言われる部分が、
決勝までの約半年間、1~1ヶ月半ぐらいの超短期のスパンで試合が行われること。
通常、ボクサーの年間試合数はコンスタントであれば、1年で3試合か4試合程度。だいたい4ヶ月に1回ぐらいですね。
しかし、新人王は勝ち上がるとすぐに次の試合があります。早いと1ヶ月後になんてこともあり、かなり過酷。このハードなトーナメントを乗り越えることで、一皮剝ける選手もいます。
新人王は世界王者への登竜門?
見事、全日本新人王になると、その選手はその年の12月の日本ランキングで10位にランクインされるボーナスがあります。
これが、新人王は世界王者への登竜門と呼ばれる所以。
選手によりますが、だいたい10勝以上すると日本ランキング入りが見えてきます。先ほどボクサーの1年の試合数がだいたい4試合と書きました。それを考えると全勝したとしても10勝するまでには2年以上かかります。
しかし、新人王の場合は、試合数によりますが7か8試合、つまり8勝前後で、しかもその年のうちにランクインできるんです。
それに、新人王になった選手は勢いがありますから、そのままランキング上位選手に勝利し、一気に日本チャンピオンと対戦する、、なんて最短コースを歩む選手も。
実際、過去に新人王から世界王者になった日本人選手はたくさんいます。 そのため、ファンや業界の人はその年の新人王は誰なのか?について注目します。
過去に新人王から世界チャンピオンになったボクサー
結構多いですね。
ファイティング原田 | 鬼塚 勝也 |
柴田 国明 | 竹原 慎二 |
ガッツ石松 | 飯田 覚士 |
輪島 功一 | 畑山 隆則 |
渡嘉敷 勝男 | 徳山 昌守 |
小林弘 | 高山 勝成 |
工藤 政志 | 越本 隆志 |
渡辺 二郎 | 坂田 健史 |
友利 正 | 内藤 大助 |
六車 卓也 | 田口 良一 |
レパード玉熊 | 伊藤 雅雪 |
畑中 清詞 |
ボクシングを知らない人でも、有名どころではガッツ石松、輪島功一、鬼塚勝也、竹原慎二、畑山隆則、徳山昌守、内藤大助、伊藤雅雪あたりは知ってますかね。
新人王から始まるグランドスラム
ボクシングには新人王のような注目度が高いタイトルがいくつかあります。
規模の小さい順から
全日本新人王
↓
日本王者
↓
東洋太平洋王者
↓
世界王者
となり、これらを全て獲得すると「グランドスラム」と言われます。
ちなみに、最近はアマチュアで6冠を獲得したエリートボクサーなどが多いですが、これらの選手はデビュー後、6試合目でいきなり世界戦に挑戦しますよね。こういう選手はアマチュア時代の経験が豊富なので、元から新人扱いはされておらず新人王トーナメントはすっ飛ばします。
グランドスラムを達成したボクサー
このグランドスラムは、アマチュア経験のない叩き上げのボクサーが取ることが多いです。
だいたい全日本新人王になった選手は各タイトルを獲得してます。 有名どころであげるとこんな人たちが達成してます。
内藤 大助
画像出典:wikipedia
全日本フライ級新人 |
王日本フライ級王座 |
東洋太平洋フライ級王座 |
WBC世界フライ級王座 |
畑山 隆則
画像出典:太田プロダクション
全日本スーパーフェザー級新人王 |
日本スーパーフェザー級王座 |
東洋太平洋スーパーフェザー級王座 |
WBA世界スーパーフェザー級王座 |
WBA世界ライト級王座 |
竹原 慎二
画像出典:太田プロダクション
全日本ミドル級新人王 |
日本ミドル級王座 |
東洋太平洋ミドル級王座 |
WBC世界ミドル級王座 |
決勝戦の盛り上がりはすごい!?
毎年11月か12月には、東日本地区と西日本地区で勝ち上がってきた選手が、全日本新人王の称号を取るために後楽園ホールに集結します。
この時の盛り上がり方は半端なく、東対西という構図になり、下手なタイトルマッチよりも盛り上がります。
特に関西地区から来る人たちは、半ば遠征的なノリで来るので異様な熱気です。これは、毎年恒例になっており、チケットが手に入りにくくなることも。
これからプロを目指す人は、まずはこの新人王戦を観戦して、ボクシングがどんなものかを実際に見てみるのがオススメです。超リアルな格闘技がそこにありますよ!
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まとめ
今回は、プロボクシングで行われるトーナメント 新人王戦について書きました。
いかがでしたでしょうか?
新人王トーナメントは毎年後楽園ホールで行われているので、チャンスがあれば見に行ってみるのもあり!かも!
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